この記事のポイント
- イーロン・マスクの買収によってプラットフォームへの新たな関心が高まったものの、Twitterは2024年までに全世界で3,300万人のユーザーを失うと予測されている
- 今年だけで米国ユーザーの6%以上がTwitterをやめると予想
- Twitterの従業員数は現在2,300人で、2012年の従業員数と同じ
- ユーザー数の増加は鈍いものの、Twitter Blueのリニューアルは絶賛の嵐
この1年、Twitterは荒波にもまれてきました。2022年10月にイーロン・マスクがTwitterを買収し、その後、会社が再編されるなど、Twitter界は常に変化し続けています。そのような激動にもかかわらず、Twitterは新しいユーザーを引きつけ、古いユーザーの関心を保ちながら、今もなお存続し続けています。しかし、いつまで続くのでしょうか?
3月21日の「Twitterの日」、そして17年目を迎えたことを記念して、この1年でプラットフォームがどれだけ変化したか、そして今後どう進化していくのか、数字でTwitterの世界を詳しく見てみましょう。ユーザー数の増加や人気のハッシュタグから、禁止されたボット、物議を醸す青いチェックマークまで、Twitter本部から発信される最新の動向をご紹介します。
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■目次
Twitterにまつわる数字と興味深い事実
買収でユーザー数の増加を期待するマスク氏と対照的な急落予測
米国で最大数のユーザーを失う見込み
Twitterが抱える問題のまとめ
公式マークとTwitter Blueを巡る混乱の時系列
Twitterの未来
Twitterにまつわる数字と興味深い事実
イーロン・マスク氏の買収で話題の尽きないTwitter。これらの事実を知っていましたか?
買収でユーザー数の増加を期待するマスク氏と対照的な急落予測
Twitterはこれから先も人気を維持できるのでしょうか?ネタバレになりますが、答えは「イエス」です。このプラットフォームには現在3億5,400万人以上のアクティブユーザーがおり、毎日2億6,000万人がログインしています。ApptopiaとSensor Towerの2つの独立系調査会社によると、マスク氏が440億米ドルで買収したことで、このソーシャルメディアの巨人に新たな関心が集まったようです。
例えば、Apptopia社によると、マスク氏がCEOに就任した31日間の米国でのTwitterのダウンロード数は1日平均約12万5千件で、これは前年比42%増の数字です。
Sensor Tower社の調査でも、マスク氏の購入後の1ヶ月間で、Twitterの全世界の1日のアクティブユーザー数が前月に比べて2%急増したと報告しています。これは、1年前の同時期と比べると4%の増加です。
マスク氏は最近、自分の影響力によって新規ユーザー登録数が「史上最高」になったと自慢していますが、ソーシャルメディアの専門家は、Twitterへの関心はつかの間だと予測しています。むしろ、マスク氏の就任時にこのプラットフォームに参加したのは、その将来性や彼のリーダーシップの下で失敗するのではないかという好奇心からであり、多くの人は急速に興味を失ってしまうだろうと推測しているのです。
このような意見は、Insider Intelligence社が最近発表した予測にも見られます。同社は、Twitterが技術的な問題や論争に悩まされ、2024年までに世界で3,270万人以上のユーザーを失うと予測しています。
米国で最大数のユーザーを失う見込み
現在、米国は最も多くのTwitterユーザーを抱えており、少なくとも8,300万人の米国人がSNSの王様とも呼べるこのサイトに登録しています。しかし、上記の予測が正しければ、Twitterは今年だけでなんと米国のユーザー360万人を失うことになり、これは2022年と比較して6%減になります。また、2024年の米国の月間利用者数はさらに8%減の5,100万人になると予想されており、これはTwitterが2014年に達成した数字を下回ることを意味します。
英国では、今年、すべての年齢層でTwitterの利用率が大幅に低下し、5%減の1,340万人になると予測されています。また、Insider Intelligence社は、2024年には英国の月間利用者数がさらに減少し、6.3%減の1,260万人になると予測しています。
Twitterが貴重なユーザーを活用できるその他の主要マーケットには、6,100万人近いユーザーを抱える日本やインド(2,500万人)、インドネシア(2,100万人)があります。
Twitterが抱える問題のまとめ
Insider Intelligence社の主席アナリスト、ジャスミン・エンバーグ氏は次のように危惧しています。
「Twitterを終わらせるような大惨事は起きないでしょう。その代わり、技術的な問題や、ヘイトスピーチ、その他の不快なコンテンツの増加に不満を募らせたユーザーが、2023年にプラットフォームから離れ始めると思われます。24時間体制で働く数少ないTwitterスタッフは、プラットフォームのインフラやコンテンツモデレーション(投稿監視)の問題に対処することはできないでしょう」
エンバーグ氏が懸念しているのは、マスク氏がTwitterの買収計画を公にして以来、Twitterをめぐる論争が後を立たないことです。主な出来事を以下に時系列でまとめました。
マスク氏がTwitterの買収について迷走し、売却から手を引こうとして裁判沙汰になったことはさておき、彼が買収後に直面した最大の問題の1つは、Twitterの7,500人の従業員の半分を解雇した後のリーダーシップです。
マスク氏が指揮を執ってからわずか1ヶ月でチーム全体が消滅し、Twitterの従業員数は1,800人(2012年の従業員数を下回る)にまで減少しました。
また、マスク氏は最近のツイートで、数百人の従業員がプラットフォームの信頼と安全に取り組んでいると述べ、大量解雇や退職がTwitterの運営に影響を与えていないと繰り返しているものの、Twitterは数多くのセキュリティ侵害や技術的不具合に次々と直面しています。
今年1月、Twitterのシステムのセキュリティ欠陥によるデータハック疑惑で、2億人以上のTwitterユーザーのメールアドレスが盗まれました。当時、その記録は、誰でも無料でダウンロードできる不正フォーラムに掲載されていました。このハッキングに対し、マスク氏は「このデータは、さまざまなソースを通じてすでにオンラインで公開されているデータの集合体である可能性が高い」とツイートしましたが、多くのTiwtterユーザーには受け入れらる主張ではありませんでした。
同月には、オーストラリアとニュージーランドのユーザーからも、半日以上続くTwitterの障害が報告されています。
また2023年2月には、世界中のTwitterユーザーから、1日のツイート制限に達したというエラーメッセージが表示され、互いにメッセージを投稿できなくなったという不具合の報告が相次ぎました。これは2022年12月下旬、同社が米国カルフォルニア州サクラメントにある主要なデータセンターの1つで業務を停止した後、一部のユーザーが障害を経験したことに続いて起きた問題でした。
そして忘れてはならないのが、Twitterの公式マーク(認証バッジ)に関する話題です。
公式マークとTwitter Blueを巡る混乱の時系列
騒々しい買収劇を終えて新たにTwitterの指揮を執ることになったマスク氏は、Twitterの認証システムを完全に解体して、新しい認証システムをマネタイズできるようにすることにしました。その結果、多くの遅延、大混乱を引き起こし、そしてこのプランに組み入らないアカウントからは、あの青い公式チェックマーク(認証バッジ)の承認が取り消されることになったのです。
- マスク氏買収以前:青いチェックの公式マークは、著名な人物や組織のアクティブなアカウント、注目すべきアカウント、本物のアカウントを示すために使用
- 2022年11月1日:Twitterは、月額8米ドルの料金を支払えば誰でも認証を得られるようになるTwitter Blueという、新しい有料認証モデルを発表
- 2022年11月3日:広告主が広告を引き上げると脅す中、マスク氏は政府系アカウントに無料で公式マークを維持する予定だと述べる
- 2022年11月5日:Twitterは新しいTwitter Blue認証を開始したが、偽アカウントやタリバンのような物議を醸すグループがTwitter認証されるようになり、すぐに裏目に出る
- 2022年11月6日:Twitterは、有料認証を正式に開始してから1日も経たないうちにその決定を取り消し、中間選挙後まで開始を延期
- 2022年11月8日:Twitterは、有料のTwitter Blueチェックと公式認証アカウントを区別するために、青とグレーの2種類のチェックマークを表示すると発表
- 2022年11月9日:マスク氏は、グレーのチェックマークは「美的な悪夢」であるとし、廃止することを決定
- 2022年11月11日:11月11日、Twitterはグレーのチェックマークを削除した後、再び使用を開始。また、Twitter Blueを停止することを発表
- 2022年12月13日:Twitterの公式チェックマークが、認証済みの企業は黄色、政府系アカウントはグレー、個人は青の3色で表示されるようになる
- 2023年1月18日 TwitterがTwitter Blueを月額7米ドルで再スタート。このサービスには、認証済みチェックマークの使用、60分間の動画アップロードが含まれる
- 2023年2月9日:Twitter Blueが4,000文字の長文ツイートを導入し、Blue加入者向けの広告を半分に減らす
- 2023年2月13日:マスク氏は、レガシーアカウントを含め、お金を払っていない人からTwitterの青い公式マークを外すと発表
Twitter Blueの最初の問題は、初期の混乱と従業員の少なさに起因するものと思われますが、その改訂版は、マスク氏が偽のインフルエンサーを排除しつつ、本物のユーザーから信頼を得るのに役立ったとして、今では多くの人が成功であったと評しています。
さらに、マスク氏が認証バッジを剥奪する計画を発表した際、エルトン・ジョン、ミーク・ミル、ジム・キャリー、ウーピー・ゴールドバーグなど、一握りの有名人やトップインフルエンサーはTwitterから離れることを誓いましたが、多くの人はこのプラットフォームに留まることを選択し、ツイートを続けています。
最近のツイートで多くのいいねを集めたツイートの例をご紹介しましょう。
気候変動活動家のグレタ・トゥンバーグは、元キックボクサーで女性差別主義者であるアンドリュー・テイトが自分の車のコレクションが大量の排気ガスを出していることを自慢した後、2022年に最も記憶に残るツイートで反応しました。
彼女は、「はい、ぜひ教えてください。smalldickenergy@getalife.com (器の小さな人間のやり方@マシな人生を送れ.com)までメールをください」と返信したのです。彼女のツイートは瞬く間に支持され、1時間あたり1,958件のいいねを集め、歴代トップ10ツイートの1つになりました。
その後テイト氏は、グレタ氏に向けた別のツイートをしていますが、ツイート後まもなく、弟と共に性売買と強姦の疑いでルーマニア警察に逮捕されました。一部報道では、このグレタ氏へのツイートの動画に映ったピザの箱で、当局に居場所がバレたとされる説もあります(当局は関連を否定しています)。
このニュースについて、グレタ氏は、「ピザの箱をリサイクルしないとこうなる」とツイートし、史上2番目のいいねを獲得しました。2022年のTwitterの日から2023年のTwitterの日にかけて、1時間あたり平均1,800件のいいねを獲得しています。
Twitterの未来
マスク氏のリーダーシップの下でのTwitterの将来についてはまだ疑問が残りますが、このプラットフォームがデジタル世界における重要なプレーヤーであり続けていることは事実です。
買収後1ヶ月でTwitterの上位広告主(Chevrolet、Chipotle Mexican Grill、Ford、General Millsな
ど)の半分を失ったマスク氏は、広告に対する新しいアプローチを示唆しています。この億万長者は最近、「X」というスーパーアプリを作ることを提案しました。このアプリは、ショッピングや食事の注文、送迎など、複数のサービスを提供するプラットフォームです。マスク氏はこのプロジェクトについて、次のように述べています。
「私が考えるTwitterの長期的な可能性は、現在の価値よりも一桁大きい。Twitterの買収は、総合アプリであるXを作るための加速装置になる」
このような野心的なプロジェクトの実現可能性や望ましさには疑問が残りますが、マスク氏がXを成功させることができれば、Twitterの将来の成功を形作る重要な要因になるでしょう。
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